2019年夏の外山自主合宿について
ご無沙汰しております、髙瀬萌です。
現在開催されている第11回教養強化合宿後の、外山自主合宿について、同合宿実行委員長として発言します。
ともに自主合宿を立ち上げ運営してきた、同実行委員会書記長である文化系クルスが起こした事件について、Twitter上で様々な議論が交わされています。
私がTwitterを休止している間に起きたことなのでリアルタイムで全てのツイートを確認したわけではありませんが、この事件そのものについては、本人や被害者Aさんを通して概ね把握しています。
Twitter上での議論の内容や様々な個人の個々のツイートについては、私からは何も言うことはありません。しかし、このような状況で彼が自主合宿に参加するためには公に何らかの説明が必要だと判断したので、この文章を書いています。
このような形での意見の表明が、今回の自主合宿の告知よりも遅くなってしまったことをお詫び申し上げます。
私は事件直後から現在まで、何度も本人と会ってこの事件について話し合ってきました。本人から話を聞くだけでは全容を理解できないため、Aさんともお会いしてお話ししました。
本人とAさん双方から、当人同士で第三者を交えずに話し合った結果、完全に和解したと聞きました。
もちろん、和解したからといって彼のしたことが消えるわけではありません。合意の確認をせずに他人の体に触れるのはどのような関係性であっても基本的に避けるべきです。そして、その行為によって誰かが身体的・精神的に加害されたと感じた場合、それはれっきとしたハラスメントであり、身体接触の有無に関わらず暴力です。
この事件において彼は加害者であり、Aさんをはじめとするこの事件の関係者のほとんどが被害者であるといえます。
私は、彼がどのように反省し自ら再犯防止に努めるのかを注視しつづけることが必要だと考えます。
彼を激しく糾弾しつづけあらゆる活動からパージするのは簡単です。しかし私は、過度な糾弾や無意味な制裁によって引き出した謝罪や反省に、価値があるとは思いません。
この事件に限らず、全てのハラスメント事件を根本的に解決するためにとるべき行動は、加害者に対しその行為の何が問題で、何を改めるべきで、何が正しい在り方なのかを可能な限り丁寧に教えることだと思います。(もちろん加害者が話を理解する人間である場合)
そして、ハラスメント事件の根本的解決は、加害者本人の心からの反省と自戒、二度と同じことをしないための具体的な行動、によってのみ実現可能だと考えています。
事件直後、私は彼に、フェミニズムと性犯罪について勉強することを勧めました。彼はそれを実行しており、自らの行為の問題点を自らの努力によって深く理解し、そして深く反省している途中です。
彼がしたことは許せませんが、私は彼を見捨てようとは思いません。
もちろん、見捨てる人がいても構わないと思います。今まで親しくしていた人からの拒絶は、加害者にとって反省への大きなヒントになるからです。
しかし私は、私のやり方で彼と向き合い、この事件を根本的に解決するために行動したいです。
その行動のひとつとして、彼が自主合宿に参加することを認めました。
彼が合宿中どのような態度で生活するのか、勉強の結果は日常の言動や行動にどのように表れているのか、事件後の約1年間で彼がどう変わったかを確認しようと思っています。
そして、いつか彼が全ての被害者に向けてこの事件を総括できるよう、同志として協力すると誓います。
上記理由から、文化系クルスを交えて第5回外山自主合宿を開催します。
2019年8月9日
外山自主合宿実行委員長・髙瀬 萌